米Texas Instruments(TI)は,米QUALCOMMと争っている特許クロス・ライセンス契約違反の訴訟について,デラウェア州最高裁でもTI社を支持する判断が下されたことを米国時間6月9日に発表した。

 Qualcomm社は,両社が2000年に締結したクロス・ライセンス契約をTI社が実質的に破ったと主張。デラウエア州衡平法裁判所は,2004年6月にTI社に有利な判断を下していた。Qualcomm社はこれを不服として控訴していた。

 州最高裁は8日,Qualcomm社の主張を5対0の多数決で退け,TI側に実質的な契約違反はなかったとする州衡平法裁判所の判断を支持した。

 問題のクロス・ライセンス契約は,両社がお互いの無線製品向け半導体に関する特許を供与し合うという内容。2000年に締結し,2005年末までに双方が特許申請する技術を対象とする。TI社はQUALCOMM社のCDMA関連特許を,QUALCOMM社はTI社のトランジスタ関連特許をそれぞれ利用できるというもの。

 QUALCOMM社は「TI社が契約に違反して機密情報を公開した」と主張し,2003年7月25日付けでデラウエア州高等裁判所に提訴していた。QUALCOMM社は損害賠償と同契約に関するTI社の権利失効を裁判所に求めていた。

 TI社によれば,Qualcomm社は2004年8月に損害賠償請求を撤回しており,今回の判決によって両社間の係争中だったすべての問題が決着した。クロス・ライセンス契約に基づく両社のライセンス権は引き続き有効となった。

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