米Yahoo!は米国時間5月18日,同社のインスタント・メッセージング(IM)サービス「Yahoo! Messenger」次期バージョンの公開ベータ版を発表した。パソコンを使った無料通話やボイスメールなど,VoIP機能を重点的に強化した。「あらゆるコミュニケーション手段を統合し,IMを新たな次元に引き上げる」(同社)

 Yahoo! Messengerのユーザー同士は,パソコンを使った通話サービスを利用できるようになる。米メディア(InfoWorld)よると,マイクとスピーカを搭載したパソコン間であれば,Yahoo! Messengerのインタフェースを介して会話できる。料金を別途支払えば,米Net2Phoneのサービスを利用して,電話回線に発信することも可能。

 一部地域を除き,ボイスメール機能も追加する。ボイスメールはすべて通話履歴と同様にログに記録されるので,不在中やオフライン中に届いたボイスメールに容易にアクセスできる。

 ほかにも,ソーシャル・ネットワーキングとブログを組み合わせた「Yahoo! 360」サービスとの緊密な連携や,ドラッグ・アンド・ドロップ操作による写真共有機能,相手とのコンタクト方法を選択できる「Contact Cards」機能,スパム・フィルタリング技術「SpamGuard」などを提供する。

 Yahoo!社Communications Products部門担当副社長のBrad Garlinghouse氏によると,「今後も音声サービスをYahoo! Messengerの中核に据え,機能の拡充を図る」という。

 Yahoo! Messengerの次期バージョンは,アルゼンチン,オーストラリア,ブラジル,カナダ,中国,フランス,香港,インド,イタリア,ドイツ,韓国,メキシコ,スペイン,南アジア,台湾,英国,米国など,18の地域において同時に提供を開始する。

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