オランダのRoyal Philips Electronicsは,マルチメディア用LSI製品系列「Nexperia」を米Microsoftの「Microsoft Windows Media Audio and Video」および「Windows Media Digital Rights Management 10(DRM)」技術に対応させる。両社がそれぞれ現地時間5月11日に明らかにしたもの。

 これにより,Nexperiaチップを搭載するデジタル・メディア・レシーバ,パーソナル・ビデオ・レコーダ(PVR),携帯用オーディオ・プレーヤ,IPセットトップ・ボックス,テレビ電話などで,Windows Media Audio and Video形式の映像や音声と,Windows Media DRM 10による著作権管理が利用可能となる。

 Philips社は,消費者向け製品「Mobile Infotainment」「Streamium」で,5月中にWindows Mediaを利用可能とする。2005年終わりごろには,車載エンタテインメント機器や次世代デジタル・テレビ・システム向けのNexperiaチップもWindows Mediaに対応させる。

 またPhilips社は,各種製品でMicrosoft社の互換性検証プログラムPlaysForSureの認定を取得する方針も表明した。

 「Windows Media対応コンテンツの種類は,指数関数的に増え続けている。Philips社がさまざまなチップや家電品で同形式に対応することで,こうしたコンテンツを利用できる環境が大幅に拡大する」(Microsoft社Windowsデジタル・メディア部門担当副社長のAmir Majidimehr氏)

 米メディアの報道(EE Times)によると,Philips社はMP3およびWindows Media Audioに対応した携帯用オーディオ・プレーヤを販売しているが,家庭用ビデオ・システムではMicrosoft社の独自技術であるWindows Mediaビデオ・コーデックの採用を見送っていた。これまでPhilips社の家庭用ビデオ・システムで利用できたコーデックは,MPEG-2,MPEG-4,H.264などの業界標準技術だけだったという。

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