IT/家電品/エンターテインメント業界の企業8社が,デジタル・コンテンツ用の著作権管理(DRM)技術を開発する団体「Advanced Access Content System License Administrator(AACS LA)」を設立した。設立企業である米IBM,米Intel,米Microsoft,松下電器産業,ソニー,東芝,米Walt Disney,米Warner Bros. Studiosが米国時間7月14日に明らかにしたもの。

 AACS LAが開発する技術は,録画済みおよび追記型のパソコン/家電品向け光メディアに保存するコンテンツを管理するための,次世代DRM技術「ADVANCED ACCESS CONTENT SYSTEM(AACS)」。

 AACS LAは,「AACSを使用するとコンテンツを扱う際の機能や操作性が向上するので,コンテンツ・プロバイダ,コンテンツ・アグリゲータ,機器メーカーは新しい配信方法やビジネス・モデルを構築できる」と説明する。「たとえば,AACSは録画済み光メディア上のコンテンツを管理するだけでなく,追記型メディアへの録画や,家庭内ネットワークおよび携帯型プレーヤへのコンテンツ移動を許可方式にすることも可能」(AACS LA)

 AACS LAはAACSの一般公開を予定している。ライセンス条件については,2004年終盤に発表する。

 なお米メディアの報道(CNET News.com)によると,AACSは現在DVDで使用されている暗号化技術CSSと同じく,特定のハードウエアやソフトウエア以外による再生を禁止するため“鍵”を使うという。ただし,CSSと違って鍵の無効化が可能なので,鍵が破損/漏えいしてもコンテンツを保護できる。

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