米Sun Microsystemsは,中規模向けストレージ製品「StorEdge 6920」の機能強化を米国時間4月12日に発表した。同社は,StorEdge 6920に異なるベンダーの複数のストレージを1台に見せる仮想化技術を搭載した。このような技術は,これまでハイエンド製品にしか搭載されなかったがミッドレンジ製品でも利用できるようになった。

 ストレージの仮想化により,複数のストレージをまとめて扱えるようになるため,管理が容易になりリソースを効率的に活用できるようになる。また,1台のStorEdge 6920で階層ストレージ・アーキテクチャを配備してコストの低いストレージにデータを移せるようになった。

 ユーザーの設定に従ってデータを自動保存するソフト「Sun StorEdge SAM-FS」を使えば,データが古くなるとビジネス・ポリシーに従って透過的かつ自動的にストレージ・クラス間で移動させることができる。

 その他にも,ディスク・ベースのデータ復旧からリモートのデータ複製まで事業継続を支援する包括的な機能セットも提供する。

 新しく加えられた「StorEdge Data Replicator」は,システム障害や災害があった場合のデータ損失に備えてデータ・ボリュームを複製する。「StorEdge Data Mirror」では,IT管理者はアプリケーション・データ・ボリュームのすべての複製を作成することができる。

 機能が強化された「StorEdge Data Snapshot」により,ソフトウエアのエラーやウイルスによるデータ損失を回避するためにアプリケーション・データのスナップショットが定期的に作成されすようになった。「StorEdge Pool Manager」の機能も強化され,複数ベンダーのストレージ製品を仮想化することにより,統合や管理が容易になった。

 StorEdge 6920の価格は,2Tバイトのストレージを持つシステム向けで12万5000ドルから。新しい機能は6月末から利用できる。

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