米サン・マイクロシステムズは、異なるベンダーの複数のストレージを1台に見せる仮想化技術をミッドレンジに適用する。日立製作所からOEM調達しているハイエンド機と同様のソフト技術を、独自に開発した。企業に分散しているストレージを統合管理する需要を狙う。

 複数のストレージを1台に見せる仮想化は従来、ネットワーク装置やサーバー側のソフトで実現していた。サンがOEM調達している日立の「SANRISE Universal Storage Platform(SANRISE USP)」は昨年初めて、ストレージ装置だけで、仮想化を実現した。外部のストレージ装置を接続する際に、SAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)を介さず、SANRISE USPのポートに直接接続、外部ストレージ装置とともに一つのボリュームを作成する。サーバー側はどこのストレージ装置にデータがあるかは意識しなくてすむようにしている。サンは「Sun StorEdge 9990」の名称で販売している。

 サンは実装方法は異なるが日立の製品と同様の機能をミッドレンジ・クラスでも利用できるようにする。具体的には、昨年発表したミッドレンジのストレージ装置「Sun StorEdge 6920」のファームウエアをアップグレードする。ファームウエアは来週、米国で開催するストレージ業界のイベントである「Storage Networking World」で正式発表する予定だ。

 米サンでネットワーク・ストレージ部門のエグゼクティブ・バイス・プレジデントを務めるマーク・カネパ氏(写真)によると、ファームウエアのアップグレードを済ませると、StorEdge 6920は「ミッドレンジで唯一、筐体を越えて、複数のストレージを1台に見せることができる製品になる」という。

岡本 藍=日経コンピュータ