VoIPのセキュリティ確保を推進する団体「Voice over IP Security Alliance(VOIPSA)」は米国時間3月28日,新しく選出された役員と短期プロジェクトを発表した。

 同年2月に創設されたVOIPSAは,VoIP関連のプロバイダ,ベンダー,セキュリティ研究機関などで構成されるオープン・グループ。ディスカッション・リスト,ホワイト・ペーパー,VoIPセキュリティに関する研究支援,セキュリティ・ツールの開発などを通じて,VoIPセキュリティの啓蒙を目指している。

 同団体は,会長としてTippingPoint社のDavid Endler氏を選出した。書記にはSonicwall社のJonathan Zar氏,会計担当はEnterasys Networks社のAnne Coulombe氏が選ばれ,それぞれ1年間の任期を務める。

 同日発表された2つの新しい短期プロジェクトは,脅威の分類法の開発とセキュリティ要件の定義を行なうもの。VOIPSAのWebサイトからプロジェクト参加者を募っている。

 VOIPSAは,プロジェクト推進に向けて,セキュリティ要件,ベスト・プラクティス,テスティング,セキュリティ研究,教育/コミュニティ啓発の委員会を設置した。プロジェクトは,これら委員会が協調的に取り組む。

 セキュリティ要件の委員会では,セキュリティ技術コンポーネント,アーキテクチャ,ネットワーク設計,ネットワーク管理,エンドポイント・アクセス,ユーザー認証の問題に対応するセキュリティ要件を定義する。この結果をもとにベスト・プラクティスのガイドライン開発,テスト方法の開発,脆弱性の研究,啓蒙の促進などが進められる。

 2月7日の創設以来,参加組織の数は2倍以上増加して50社を超えた。Bell Canada社,McAfee社の1部門であるFoundstone Professional Services,MCI社,PricewaterhouseCoopers社,Samsung Telecommunications America社,Sprint社,VeriSign社などが新規に加入している。

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