米Microsoftは米国時間3月10日に,コラボレーション・ソフトウエア・ベンダーの米Groove Networksを買収する計画を発表した。両社の技術を組み合わせることで,「物理的に離れたグループどうしが一カ所で作業しているような,『仮想オフィス』環境を構築し,生産性を高められるようになる」(Microsoft社)。取引は2005年第2四半期に完了する予定。なお,買収金額などの詳細については明らかにしていない。

 Groove社は1997年に設立された未公開企業で,約200人の従業員を抱える。創設者のRay Ozzie氏は,米IBMの「Lotus Notes」の開発に従事した人物である。取引完了後,同氏はMicrosoft社CTOに就任し,通信およびコラボレーション事業と関連プラットフォーム・インフラ業務を統括する。Groove社はMicrosoft社Information Worker Group部門の傘下に入る。

 Microsoft社は,Groove社の製品を「Office System」関連の製品,サーバー,サービスに加え,既存のコラボレーション製品を拡充する。あらゆる規模の企業のニーズに対応し,「社員,顧客,パートナ,サプライヤ,契約業者が,境界を越えてプロジェクト・チームを組める環境を支援する」(Microsoft社)。

 Microsoft社Information Worker Group部門バイス・プレジデントのJeff Raikes氏は,「Groove社買収により,当社のコラボレーション製品で,より複雑な作業環境に対応したリアルタイム,サーバー・ベース,ピア・ツー・ピア機能を実現する。情報ワーカーがいっそう自然な方法で協力し合い,作業を簡単に拡張できるようにする」と述べた。

 Groove社の技術で強化を図る主な分野は以下の通り。

・「Office Live Meeting 2005」「Office Live Communications Server」などを利用した1対1または1対多数のリアルタイム通信

・オンラインまたは社内ITシステム上に協業環境を構築し,管理するための,「Office SharePoint Portal Server」および「Windows SharePoint Services」を用いたサーバー・ベースのシステム

・Windowsパソコンのユーザーが臨時の仮想作業場を作成し,組織,地域,ネットワークの境界を越えて,生産性の高い共同作業を実行できるピア・ツー・ピア環境

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