米Technology Business Research(TBR)は,2004年第3四半期における企業ユーザーのITサービスと顧客サポートへの期待と満足度に関して調査した結果を発表した。その結果,大手ベンダーの米Dell Computer,米Hewlett-Packard,米IBMの3社は,ほぼすべての領域において顧客の期待に応えている。Dell社は,オン・サイトの対応時間,利用できる取り替え部品,サービス価格で優位にたった。

 Dell社に対する企業顧客間における満足度は近年下降していたが,同期はHP社とIBM社を上回った。同年第1四半期と第2四半期は,それぞれ80.32ポイントと82.27ポイントだったが,同期は83.61ポイントを獲得した。Dell社はHP社の81.95ポイント,IBM社の81.66ポイントを抜いて首位を収めた。

 同年第1四半期には,Dell社の全体的な顧客満足度はTBR社が同調査を開始した2000年から初めてHP社に抜かれた。第2四半期には多少向上したが,HP社とIBM社に追いつく程度のレベルだった。

 Dell社は,全体的に満足度を向上させていたが,電話サポートは取り残されていた。しかし,顧客の電話サポートとオンサイト・サポートに対する不満は迅速に対応が施された。Dell社マーケティング・サービスのディレクタであるBob Riazzi氏は,「事業がかなりの速度で成長しており,電話サポートといった部門では要員配置計画が対応できていなかった」と説明している。

 TBR社は,今回の順位が同月7日に発表された,IBM社PC事業の中国の聯想集団(Lenovo Group)への売却により大きく変化する可能性があるとしている。IBM社による売却は,2005年第2四半期に完了が予定されている。IBM社は,パソコン事業の売却ができるだけ顧客に影響を与えないように手段を講じている。売却がブランドを乗り換える理由にはならないとコメントしている顧客もいるが,TBR社は,この移行期間がDell社とHP社に有利に働く可能性があると予測している。

 同社は北米企業における数百人のITマネージャを各四半期ごとに調査している。電話サポート,オンサイト・サポート,価格,満足度など8つの要素に焦点を当てている。同調査には,4月~9月にかけて同社が640人のIT幹部へのインタビューした結果も含まれている。

 Dell社は,テキサス州の本社近くに最初の「Enterprise Command Center」を設立しており,中国,アイルランドでも新しいセンターを追加した。また,日本にも近い将来センターの設立を予定しているという。

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