米In-Stat/MDRが,携帯電話キャリアの顧客満足度に関する調査結果を米国時間10月27日に発表した。それによると,顧客満足度のトップには,米Verizon WirelessとドイツT-Mobile Internationalの米国法人T-Mobile USA社がほぼ同ポイントで並んだという。

 米国の携帯電話キャリアの顧客満足度を全般的にみると,2004年前半には大きな動きはなかった。そのなかで目立ったのは,T-Mobile USA社の躍進。そして米Nextel Communicationsがトップから第2グループに落ちたことという。

 In-Stat/MDR社無線グループ・ディレクタのClint Wheelock氏は,「競争が激化し,キャリア合併が進む現在,携帯電話キャリアが市場シェアを獲得するには,顧客に理解してもらうことが極めて重要」と説明する。「携帯電話業界のサービス・レベルは,いくつかの項目では非常に良好な状態を保っている。ただし,より優れたサービスを求めてキャリアを変えようとする加入者が増えていることから,サービス品質(QoS)と顧客サービスにはまだ改善の余地が多くある」(同氏)

 そのほかの主な調査結果は以下の通り。

・この1年間で,キャリア変更を望む加入者の数が急増した。今後12カ月で「必ず変更する」または「おそらく変更するだろう」という回答は19.8%あった。2003年6月の調査では,14.5%だった

・加入者の平均契約期間が最も長いキャリアは米Sprint,最も短いのはT-Mobile USA社

・QoSの評価が最も高いのはVerizon Wireless社

・QoSの評価は,市街地のサービス・エリアが充実しているキャリアほど高い。全体としては,自宅で通話できなかったり,通話が頻繁に切れたりするキャリアはQoSが低いという指摘が多い

・顧客サービスの評価に最も大きな影響を与えた項目は,読みやすくて分かりやすい請求書と,顧客サービス担当者の丁寧な対応/問題解決能力だった

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