米Cingular WirelessとフィンランドのNokiaは,Cingular Wireless社のビジネス・フレーム・ワークを支えるネットワーク機器,ソフトウエア,サービスを提供することで複数の契約を締結した。両社が現地時間12月1日に発表した。また,Nokia社は,Cingular社に対し第3世代(3G)の携帯電話規格であるUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)対応の携帯電話機を2005年に提供する。

 Cingular社のGSM/EDGEネットワークは,同社3Gネットワーク成功の鍵となる。ネットワークの円滑な統合を図るために,Cingular社は,GSM/EDGEネットワーク機器,ソフトウエア,サービスに関してNokia社との契約を2年間延長した。契約の拡張により,Nokia社は,次世代GSM/EDGE無線,コア・ネットワーク,パケット・コア,3GPP Release 4スイッチング・アーキテクチャ機器,HCHC(High Capacity High Coverage),Cingular社向けに特別に設計された基地局を提供する。

 Nokia社は,Cingular社の戦略的な携帯電話プロバイダとして,同社が2005年第4四半期に商用展開するサービスに向けてGSM/EDGE,UMTS対応の携帯電話機を提供する。

 Cingular社は,2005年にUMTS技術だけではなく,より通信速度が速いWiMAXといった無線ブロードバンド技術の展開も予定している。Cingular社は,Nokia社以外にも,米Lucent Technologies社とUMTSサービスの展開に関する4年間契約を11月30日に締結した。これには,高速パケット通信技術「HSDPA」(High Speed Downlink Packet Access)の導入も含まれているという。

 AT&T Wireless社買収に加え,最近米Triton PCSと交わした提携により,Cingular社が現在無線サービスを全米50州中49州で提供しており,米国の上位100都市をカバーしている。そのうち,6都市ではすでにUMTSサービスを提供している。同社は,2005年末までに全米にUMTSネットワークを配備したいという考えを明らかにしている。

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