欧州電気通信標準協会(ETSI)による携帯電話機向けテレビ放送規格Digital Video Broadcast - Handheld(DVB-H)の発表を受けて,フィンランドのNokiaは現地時間11月26日,同規格に対応するとの意向を表明した。Nokia社は,モバイル・テレビを視聴可能なDVB-H対応携帯端末を,世界各地で2006年に利用可能とする計画を立てている。

 DVB-Hは,携帯電話機などに対し,複数チャンネルのテレビ/ラジオ放送や映像を同時に転送するための技術。デジタル・テレビおよびデータ・サービスの標準化を進める業界団体Digital Video Broadcasting Project(DVB)が,仕様を策定した。

 モバイル・テレビ放送を実現するには,端末がバッテリで動作するので消費電力を抑える必要があるうえ,屋内/屋外を問わず歩行中や移動中の車内でも視聴可能とするなど,多くの課題があるという。DVB-Hでは,時分割の手法により平均消費電力を減らし,セル方式や周波数ハンドオーバの導入で迅速な信号スキャンを実現した。

 なお,Nokia社は米Crown Castle Internationalとともに,10月にペンシルバニア州ピッツバーグでDVB-Hの実現可能性を確認する試験を始めていた。

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