米Cingular Wireless社は,携帯電話サービス・プロバイダの米MetroPCSに無線周波数帯のライセンスの一部を売却することで最終的な合意に達した。同社が米国時間11月29日に明らかにした。取り引きの完了,2005年第1四半期が予定されている。

 契約のもと,Cingular Wireless社は,ダラスとデトロイトにおける10MHzの無線周波数帯のライセンスを2億3000万ドルで売却することに合意した。

 「この周波数を取得できて非常に嬉しく思う。MetroPCS社のユニークなサービスをさらに米国の大規模な市場2カ所に展開できる。すでにサービス提供を行なっている大規模市場のアトランタ,マイアミ,サンフランシスコに加え,全米トップ12の都市エリアの5都市においてサービスが提供されるようになる」(MetroPCS社会長兼CEOのRoger Linquist氏)

 Cingular社はAT&T Wireless社買収の手続きを進めており,資産売却は,米司法省および連邦通信委員会(FCC)が要求する買収承認の条件に応えたもの。FCCは買収承認の条件として,16の市場で合併を実施せず,さらに6市場で資産の売却を行うよう求めている。同社は,米AT&T Wirelessの一部資産を米ALLTELに現金1億7000万ドルで売却することを11月26日に発表している。

 AT&T Wireless社の買収により,4600万人以上の顧客を抱える米国最大の無線キャリアが誕生する。AT&T Wireless社買収に加え,Cingular社最近が米Triton PCSと交わした提携により,同社の無線サービス提供地域は50州中49州となり,米国の上位100都市をカバーするという。

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