米Forrester Researchは,2004年ホリデー・シーズンにおけるオンライン・ショッピングに関して調査した結果を米国時間11月10日に発表した。同社は,同年ホリデー・シーズンの欧州におけるオンライン・ショッピング支出が130ユーロに達し,米国の100億ユーロ(130億ドル)を上回ると予測している。

 調査により,同社は西欧におけるホリデー・シーズンの電子商取引は前年から44%増加すると予測している。同社によれば,同地域の成長は,裕福なオンライン・ショッパーと,従来の小売店によるオンライン・ショップへの注力,またオンライン・ショップの積極的なプロモーションに導かれるという。

 「英国は,引き続き欧州におけるホリデー・シーズンのオンライン・ショッピングの売上高で首位を収めるが,ドイツ南欧諸国も英国のシェアを奪うだろう。もっとも売上高が高くなるのは旅行製品だが,僅差でアパレルが続くと予想される」(同社消費者市場アナリストのHellen Omwando氏)

 2003年のホリデー・シーズンにおける欧州のオンライン・ショッピングからの売り上げで,英国の占める割合は36%だった。2004年には,欧州全体の3分の1に相当する42億ユーロ(30ポンド)の売り上げが期待される。

 欧州のオンライン・ショッパーの数は,すべての年齢層で増加している。これまで遅れていたフランスやスペインの成長がもっとも大きく,参加が遅れた買い物客は大半が裕福な消費者層となっている。オンライン・ショップでもっとも売上高が高いのは,引き続き旅行業界で全体の21%を占める。アパレル製品は17%で2位に付くという。

 電子商取引に投資する小売り業者が増加しているドイツでは,同シーズンのオンラインからの売上高が38億ユーロに達すると予想される。欧州全体のオンラインからの売上高に占める割合は,前年の27%から29%に増加すると予想される。フランスは11億ユーロで9%のシェア,スペインは前年から倍の4%のシェアを獲得するという。オランダの売上高は,5億8400万ユーロに達するという。

 多くの欧州小売り業者において,大手ディスカウント・ストアのAldiチェーン店やLidlチェーン店などの影響でオフラインの売上高が減少している。英国では,小売り業者にとってインターネットが重要な競争の場となっており,大手小売り業者のTesco,Sainsbury'sなどがクリスマス向けのプロモーションを9月頃から開始している。

 また,米Deloitte & Touche USA LLPが行なった別の調査によれば,同年の米国における贈り物として商品券の人気が高くなるという。フィラデルフィア地域では67%,全国では64%が商品券をプレゼントするという。この割合は前年の2倍以上に相当する。商品券は,65歳以上で収入が10万ドルを超える買い物客の間で人気が高い贈り物になるという。

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