米IBMは米国時間10月12日に,ストレージ・システムの新製品「TotalStorage DS6000」と「同DS8000」を発表した。「ハイエンドの機能とパソコンの使いやすさをあわせ持つ高密度ストレージ」(IBM社)としている。

 両製品とも「POWER」アーキテクチャを採用する。「Adaptive Replacement Cache(ARC)」と呼ぶ新たなキャッシング技術を取り入れており,より優れたスループットと高速なレスポンスを実現する。

 TotalStorage DS6000シリーズの記憶容量は580Gバイトで,67.2Tバイトまで拡張可能。同社のサーバー「eServer zSeries」「同iSeries」をはじめ,UNIXまたなLinux搭載Intelサーバーに対応する。米メディアの報道(InfoWorld)によると,プロセサは「Power4」で,きょう体サイズは3U。

 「VCRよりわずかに大きい程度で,競合製品である米EMCの『DMX800』と比べて大きさは20分の1,価格は半分」(IBM社)

 「BladeCenter」や「eServer xSeries」の冷却システム「Calibrated Vectored Cooling」を採用した。部品の不具合を検出し,復旧を促す警告機能や,エラーを予測する自律機能を備える。また,Webベースのウイザードにより,簡単に設定が行える。

 TotalStorage DS8000シリーズは,64ビット・プロセサ「POWER5」を搭載し,最大96Pバイトに拡張可能。一部のモデルでは仮想化技術「Virtualization Engine」を取り入れており,1台の大容量システムとしてだけでなく,論理分割(LPAR)機能を用いて複数のシステムとして使用することができる。

 TotalStorage DS6000と同DS8000は共通のマイクロコード,機能,インタフェース,管理ソフトウエアをベースにする。例えば,管理ソフトウエア「DS Storage Manager」を使って,TotalStorage DS6000と同DS8000で構築した環境で,一連のストレージ間の管理やミラーリングをシームレスに行える。

 TotalStorage DS6000および同DS8000の価格は9万7000ドルから。2004年12月3日より,利用可能とする。

◎関連記事
米IBM,iSCSI対応の低価格ストレージ・サーバー「TotalStorage DS300」などを発表
米IBM,ストレージ管理ソフトの新版「TotalStorage SFS 2.1」を発表,他社ストレージもサポート
「2004年Q2の外付けストレージ世界市場,首位EMCは19.5%増収,HPは減収」
「2004年Q1のストレージ市場,米EMCが米HPから首位の座を奪う」,米IDC調査
「2003年Q4の外付けストレージ市場は前年同期比8.4%成長」,米IDC調査
ストレージ構築の相反する2つの潮流
「2004年のデータ・ストレージ市場,売上高は約5%増加する見込み」,米調査

[発表資料へ]