米Ernst & Youngは,企業の情報セキュリティに対する取り組みに関して調査した結果を米国時間9月23日に発表した。それによると,企業のCEOは,情報セキュリティにおけるリスクを認識しながらも,十分な対策を講じていないという。70%以上の企業が,情報セキュリティに関する社内講習や従業員の意識向上を「最も優先すべきこと」としてとらえていなかった。

 調査は51カ国の企業1233社を対象に実施したもの。企業は,依然としてウイルスなどの外部からの攻撃は重視しているものの,社内の脅威は見過ごしてしまっている。「ファイアウオールやウイルス保護などの技術は積極的に獲得するが,人的資源への優先的な対処は後回しになっている」(同社)

 Ernst & Young社Technology and Security Risk Services部門グローバル・ディレクタのEdwin Bennett氏は「企業は業務をアウトソーシングしているが,セキュリティの責任をアウトソーシングすることはできない」と指摘する。「ITプロバイダを定期的に監査し,情報セキュリティ・ポリシーの順守を監視している企業は3分の1に満たない」(同氏)

また同氏は,「企業が情報セキュリティに対するアプローチを変えるには,経営幹部の基本理念を見直す必要がある。情報セキュリティをCEOレベルの優先事項だと考える企業はわずか20%だった」と述べた。

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