米Sun Microsystemsと英ARMは,モバイル機器向けに最適化したJavaソリューションの統合と提供で長期的な提携関係に入った。両社が現地時間9月7日に明らかにした。両社は,ソフトウエアとハードウエアの最適化を加えることにより,モバイル機器におけるJavaアプリケーションのコンピューティング・パワーの向上を狙う。

 両社は,ARM社のJavaアクセラレータ「Jazelle」をSun社のモバイル機器用Java仮想マシン(JVM)の「Connected Limited Device Configuration HotSpot Implementation(CLDC HI)」に組み込むソフトウエアの最適化と統合を共同で行なう。

 統合された製品では,アプリケーション実行速度が改善され,アプリケーションの起動にかかる時間が現バージョンのCLDC HIよりも50%短縮される。また,電力とメモリー消費の効率性が改善される。製造業者と通信事業者は,エンド・ユーザーにより優れた機能を提供しながら,コスト削減が可能になるという。

 両社の統合製品は,Sun社に設立された単一のディストリビューション・ソース通じて提供される。ディストリビューション・ソースを1カ所にまとめることにより,製造業者と通信事業者による統合の効率性を改善するとともに市場への製品投入時間の短縮を図る。統合製品はSun社が提供することになるが,商用利用に関してはそれぞれ両社からライセンシングを受ける必要がある。

 Sun社のCLDC HI顧客は,Jazell技術を統合した製品のインテグレーション,テスト,ベンチマークの測定ができる。製造業者と通信事業者は,CLDC HIだけを使ったソフトウエア・ソリューション,またはCLDC HIとJazelle技術の両方を組み合わせたソリューションの選択ができる。

 Sun社は,Jazelle技術に対応可能にするソフトウエアを統合したCLDC HIは2004年第4四半期に出荷を予定している。

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