英ARMと米Broadcomは,次世代通信製品の開発について,提携拡大を発表した。両社が米国と英国で現地時間7月20日に明らかにしたもの。「ARM社の技術を利用した,あらゆる通信アプリケーションに最適な製品を開発する」(両社)

 両社は2002年2月から提携関係にあり,Broadcom社はこれまでARM社のマイクロプロセサ・ファミリ「ARM7」「ARM9」を自社の通信チップに搭載している。現在,この通信チップは米palmOneの「Treo 600」やスウェーデンEricssonとソニーの合弁会社であるSony Ericssonのパソコン・カード・モデムなどに利用されている。

 今回の提携拡大で,ARM社の「ARM11」マイクロプロセサ・ファミリ,データ・セキュリティ技術「TrustZone」,アクセラレーション技術「Jazelle」が対象に加わる。また,Broadcom社はARM社の省電力化技術「Intelligent Energy Manager」への対応も進める。

 これにより,Broadcom社は次世代のモバイル,ネットワーキング,およびワイヤレス装置市場における主導的地位を確保したい考えだ。また,Broadcom社のブロードバンドや無線に関する専門知識で,ARM社のより優れたマイクロプロセサ開発を支援する。

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