米Roxio傘下の米Napsterは,大学のキャンパス向け音楽配信プログラムで新たに6大学と契約を締結したことを米国時間7月19日に発表した。学生は,キャンパスでNapster社の音楽配信サービスを利用できるようになる。同社との提携を通じて,これらの大学はP2Pによる著作権侵害への対策,構内の帯域幅コストの低下,知的資産の保護を狙うという。

 提携した大学の学生は,キャンパスにおいてNapster社が提供するデジタル音楽ライブラリから80万を超える楽曲を無制限にストリーミング,またはハード・ドライブにダウンロードできる。また,インターネット・ラジオ局,ビルボードのチャート情報,オンライン・マガジンにアクセスできるようになる。楽曲をダウンロードしてCDに書き込んだり,ポータブル・デバイスに転送して利用したい学生に対しては1曲あたり99セント,アルバム1枚あたり9.88ドルで提供される。

 今回同社と契約したのは,コーネル大学(Cornell University),ジョージ・ワシントン大学(George Washington University),バーモント州のミドルベリー大学(Middlebury College),マイアミ大学(University of Miami),南カリフォルニア大学(University of Southern California),オハイオ州のライト大学(Wright State University)の6大学。Napster社は,それぞれの大学と協力して大学と学生のニーズに合ったプログラムを作成する。

 同社の会長兼CEOのChris Gorog氏は,「これらの大学は,P2Pサービスが構内のネットワークにもたらすウイルス,スパイウエア,帯域幅の枯渇,その他の技術的問題対する危険性を軽減させながら,学生に合法なP2Pサービスを提供可能になる」と説明している。

 ペンシルベニア州立大学(Penn State University)は,前年の11月に同プログラムに参加しており,同校23キャンパスのすべてに拡張する予定を明らかにしている。米メディアの報道(CNET News.com)によると,同サービスを最初に導入した同大学では,大学が支払う購読料は,すでに学生から徴収されているIT費用で賄われる。そのため,サービスの導入にあたり,学生から特別に料金を徴収することは無い。しかし,一部の学生からは,支払いが義務付けられているIT費用をデジタル音楽に使われたくない,とする抗議の声も上がっているという。

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