米Roxio傘下のNapsterは,デジタル・メディア配信システム「Super Peer」の提供を開始した。Napster社が米国時間3月10日明らかにしたもの。「ネットワークを介して大量のダウンロードが行われる大学やISPなどは,貴重な帯域幅を節約できる」(Napster社)としている。

 Super Peerでは,Linuxが動作する米IBMの「eServer BladeCenter」を利用する。アクティブ・キャッシュ管理機能によって,コンテンツをローカル・サーバーのキャッシュ・システムに格納できるため,ダウンロードに要する帯域幅を節約し,同時に動作している他のアプリケーションのサービス品質を向上できる。

 同システムは,帯域幅の利用を管理しない従来のピア・ツー・ピア技術とは異なり,音楽をオンデマンドで配信しながら,ミッション・クリティカルなアプリケーションのためにネットワークの帯域幅を確保できるのが特徴だ。

 IBM社は,eServer BladeCenterへのSuper Peer移植を支援するほか,インストール,サポート,管理サービスなどもオプションで提供するという。

 米メディア(CNET News.com)によると,Napster社CTOのBill Pence氏は,「大学などにおけるファイル共有環境をみると,その問題の多くはコンテンツの違法な共有とネットワーク・トラフィックの渋滞に起因している」と説明。「当社は,Napsterサービスを再開するにあたって音楽を合法的にダウンロードできるようにしたが,Super Peerではもう一つの問題に取り組んで,帯域幅を節約できるようにした」(同氏)と述べた。Napster社は,音楽のダウンロード・サービスを利用する学生が多い大学でSuper Peerを使用すると,帯域幅関連コストを1年当たり約5万ドル削減できると見込んでいる。

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