米Microsoftが米Lindowsを相手取って起こしていた商標権侵害訴訟で,米第9巡回区連邦控訴裁判所はMicrosoft社による上訴の申し立てを棄却した。これにより審理は,シアトル連邦地裁のCoughenour判事に差し戻される。Lindows社が米国時間5月24日に明らかにしたもの。

 Coughenour判事は今年の2月10日に,「陪審が,『Windows 1.0』が市場に投入された1985年11月以前に“Windows”を一般的な用語であったと判断する場合,陪審はWindowsという言葉が現在持つ意味を考慮する必要はない」との裁定を下していた。Microsoft社はこの裁定を不服として上訴していた。

 審理はCoughenour判事のもと,2004年下半期に開始される。両陣営がそれぞれ1週間ずつ陳述を行う予定で,Microsoft社会長のBill Gates氏,同社CEOのSteve Ballmer氏, Lindows社CEOのMichael Robertson氏が証言台に立つ見通しである。

 Robertson氏は,「Microsoft社の上訴が棄却されたことで,訴訟はMicrosoft社が市場を独占する前の1980年代に,消費者やソフトウエア業界が“Windows”という言葉をどのように利用していたかに焦点が絞られる」と述べた。「我々は“Windows”が一般的な用語であったことを証明するさまざまな証拠を用意している」(同氏)

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