米VentureOneと米Young Ventureが米国時間1月26日,米国におけるベンチャ投資に関して調査した結果を発表した。それによれば,米国のベンチャ投資は,新たに増加する兆しを見せているという。2003年第4四半期における取引件数は496件で,規模は45億ドルだった。これは,過去1年間で最も高いレベルだった。

 同期は,初期段階の投資が大幅に増加しており,早期投資と第1ラウンドの投資が全体の30%を超えている。投資額も上昇しており,早期投資と第1ラウンドの投資を合わせて35%増加している。また,第2ラウンドの取引件数も123件に上り,2002年第3四半期以来の高レベルとなった。

 「株価の上昇で,売却益の見込みがより明らかになったため,ベンチャ投資が刺激された。投資を受ける企業のうち,同期に株式公開を果たした企業は,2000年第4四半期以降で最高の13社だった。また,買収合併の規模も大幅に拡大している」(Ernst & Young社グローバル・リーダーのGil Forer氏)

 ソフトウエアを中心とするIT関連の案件は,31%が早期投資と第1ラウンドに対するものだった。これは,同氏は,2004年も引き続き株価の上昇が初期段階の投資につながると見ている。

 同期において,ソフトウエア関連企業では,前期から13%増の145件の投資が完了している。バイオ製薬関連がこれに続き,前期から40件増の73件の案件をまとめている。投資額でみると,バイオ製薬関連は,2期連続でもっとも多額の投資を受けた業界部門となった。投資額が高かった20件の案件のうち,12件がバイオ製薬関連だった。

 通年では,ベンチャ投資の案件は15%減の1884件でだった。投資の規模は20%減少して169億ドルだった。しかし,第4四半期における活発な投資活動により,上向きをみせた。

 バイオ製薬会社への通年のベンチャ投資は,前年から6%増加して34億ドルに達した。この間,2四半期において10億ドルを超える投資を受けている。バイオ製薬以外に,四半期において10億ドルを超える投資を受けたのは,ソフトウエア関連企業だけだった。半導体,消費者および企業向け製品関連の企業も,投資額と取引件数の両方で小幅に増加した。

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