米Intelは,同社の投資基金Intel Communications Fundを通じて,Wi-Fi技術を手がける二つの企業に出資すると発表した(米国時間12月18日)。出資対象の企業は,ホテルや会議場などでネットワーク接続サービスを提供する米STSNと,IPテレフォニ・ソフトウエアを開発する米TeleSym。出資金額については明らかにしていない。

 Intel Communications Fundは,同社の音声/データ通信に関する取り組みを促進する目的で1999年9月に設立した基金。同社の投資事業Intel Capitalが管理している。「5億ドルある基金のうち,1億5000万ドルを世界各地のWi-Fi関連企業に投資する」(同社)という。

 STSN社とTeleSym社に出資することで,同基金の投資するWi-Fi技術企業は3社となった。ちなみに同基金が初めて出資したWi-Fi関連企業は,無線インターネット接続事業を手がける目的で米AT&T,Intel社,米IBMが共同設立した米Cometa Networksである。

 STSN社とTeleSym社の概要は以下の通り。

・STSN社:世界各地のホテルや会議場で有線/無線による高速データ通信サービスを提供する。ユタ州ソルト・レーク・シティに拠点を置く。なおIntel社が初めてSTSN社に出資したのは1999年。WWWサイトのURLはhttp://www.stsn.com/

・TeleSym社:企業の無線ネットワークを通じ高品質/経済的な音声通信を行うためのソフトウエアを開発する。ワシントン州ベルビューに拠点を置く。WWWサイトのURLはhttp://www.telesym.com/

 「2社に対する投資は,世界中で高速無線ネットワークを導入を加速しようという当社の取り組みの一環である。両社のソリューションは,2003年前半にリリースを予定している当社の次世代モバイル技術『Banias』(開発コード名)を補完することになる」(Intel Communications FundディレクタのJohn Hull氏)

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