地理情報システム用データの標準化を進める非営利業界団体Open GIS Consortium(OGC)は,審議中の2つの仕様に関して,1つをOpenGIS標準として承認したことを11月10日に発表した。もう一方の仕様は,RFC(Request For Comment)ステータスに昇格させた。

 OGCの技術委員会と計画委員会が承認したのは,地形のグリッド・データへのアクセス方法を定義する「Web Coverage Service(WCS)」仕様。WCSは,イメージ,DEM(Digital Elevation Matrix),その他のタイプのグリッド・データの生データへのアクセスを提供する。静的な地図を提供するWMS(Web Map Service)とは異なり,WCSは,データへのアクセスだけを提供する。通常,クライアント側のアプリケーションが,データのモデル,分析,レンダリングを行なう。

 同仕様は,米BAE SYSTEMS Information Systems Sector,オーストラリア科学産業研究機構,カナダのCubeWerx,ドイツGerman Aerospace Center - DLR,カナダGaldos Systems,米George Mason University,米Intergraph Mapping and Geospatial Solutions,ベルギーIONIC Software,米航空宇宙局,カナダPCI Geomatics,米Polexis,米Raytheon,米陸軍工兵隊,米地質調査所が提出した。承認された仕様は,WWWサイトにて公開されている。

 RFCステータスとして認定したのは,「Web Terrain Service(WTS)」仕様。ベクタ形式とラスタ形式のデータを2次元上で立体的に表現するようにレンダーする方法を記述している。同仕様は,3次元の地形シーンが生成可能なサーバーから3次元の地形シーンをリクエストするための標準インタフェースを定義する。コメントが収集され評価が行なわれた後,投票によりOpenGIS仕様として認定される。

 同仕様は,英Cadcorp,ベルギーIONIC Software,ドイツlat/lon,カナダPCI Geomaticsが提出したもの。WWWサイトから閲覧が可能。

◎関連記事
地理情報を記述する言語「GML」の新版を業界団体が承認
米Motorola,無線通信事業者/自動車製造業者向けに位置情報サービス・ソフトを発表
「視覚シミュレーション世界市場は2007年に現在の2.3倍」と米社の調査
米マイクロソフト,地図/位置情報サービスの新版「MapPoint .NET version 3.0」を発表

発表資料へ