「視覚シミュレーション市場は2000年に23億3000万ドルを生み出しており,2007年には53億7000万ドル規模に拡大す」。米Frost & Sullivanが米国時間9月27日に,世界の視覚シミュレーション市場に関する調査結果を発表した。

 「パソコン・ベースのビジュアライゼーションや地形データベース開発ソフトウエアの分野が市場の成長を牽引する。また長期的には,軍事向けより商業向けの成長が著しいとみる」(Frost & Sullivan社上級コンサルティング・アナリストのJerry Weltsch氏)。

 視覚シミュレーション・アプリケーションにパソコンを利用する利点は,企業市場への道が開けること。2007年には,視覚シミュレーション市場の売上高全体の約2/3を企業向けが占めるようになる。

 これまで視覚シミュレーションは軍事向けの技術とされ,トレーニング用の地形や場面を生成することに利用されていた。こうした軍事向けトレーニング・ツールが世界的に飽和状態になっているため,ベンダーは新たな収入源を探す必要がある。低コストのパソコン向けビジュアライゼーション技術が利用可能な段階まで来ており,企業向けアプリケーションは成長市場として台頭しつつある。

 また,商業向けと軍事向けの両分野ともに独自のアーキテクチャからオープンな業界標準に移行し始めており,この変化に対応しない企業はすぐに競争から脱落する。

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