米Gartnerは,世界半導体設備投資に関する調査結果を米国時間10月9日,発表した。それによると2003年の世界半導体設備投資は前年比7.9%増の297億ドルに達するという。
2003年第2四半期における半導体メーカーの設備投資は鈍化したものの,ウエーハ製造装置の受注が近ごろ上向いており,2003年後半の支出と売上高は盛り返しつつある。ウエーハ製造装置の売上高は,2002年に前年比31.5%減少したが,2003年は1.1%成長する見込みである。パッケージングおよび組み立て装置は2002年に同21.6%減だったが,2003年は同19.8%成長する勢いだ。
■表1 世界半導体設備投資の支出予測(単位:百万ドル) ====================================================================== 2002年 2003年 2004年 ---------------------------------------------------------------------- 半導体設備投資支出 27,576 29,748 35,879 成長率 (%) -38.1 7.9 20.6 資本設備 (テストを除く) 18,547 19,183 24,532 成長率 (%) -30.4 3.4 27.9 ウエーハ製造装置 16,203 16,374 20,763 成長率 (%) -31.5 1.1 26.8 パッケージングおよび組み立て装置 2,344 2,809 3,769 成長率 (%) -21.6 19.8 34.2 ====================================================================== 出典:Gartner Dataquest社(2003年10月)
Gartner社は2003年第3四半期の稼働率について,全体で86.5%,最新の製造工場(0.18μm以下)では93%を予測しているが,製造メーカーは動向を注意深く見守っており,設備投資にも慎重になっているという。
「2003年7月~2004年6月にかけて,9カ所の300mmウエーハ工場と7カ所の200mmウエーハ工場が量産開始を予定している。ただし製造設備の注文がまだ少ないことからみて,これらの工場の生産は低いレベルからゆるやかに上昇する見込み」(同社)
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