米Gartnerは米国時間8月18日に,世界半導体業界に関する調査結果を発表した。それによると,2003年の売上高は1730億ドルに達し,前年の1560億ドルと比べて11.2%増加する見込み。好調だった第2四半期に続き,季節的変動による需要増が期待できるとの“慎重な楽観”から,今後も回復傾向を維持するとみる。

 「過去数週間の市場状況の回復には目を見張るものがある。半導体業界は引き続き回復し,より急速な成長段階に入ろうとしている。この見解は,当社の長期的な回復予測と一致する。多くの業界専門家が見通しを下方修正しているが,当社は2003年の世界半導体業界が約10%成長すると予測している」(Gartner社半導体調査グループ部門リサーチ・バイス・プレジデントのRichard Gordon氏)

 フロント・エンドの半導体製造は需要が高まっており,現在,工場稼働率は80%を超える。工場のウエーハ価格も安定している。パッケージングとアセンブリの工場稼働率は毎月上昇し,最先端のパッケージングに関しては需要が高いため生産能力が限界に向かいつつある。

 デバイス市場では,在庫が通常のレベルに戻り,価格も安定している。また一部の重要な部品が不足している場合もある。デジタル携帯電話機は引き続き堅調で,消費者向けデジタル電子機器の需要も衰えていない。パソコンの買い換えを始めている企業もあり,買い換え需要は増加する見込みである。

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