ドイツのSuSE Linux AGは,消費者向けLinuxディストリビューションの最新版「SuSE Linux 9.0」を10月24日にリリースする。同社が米国時間9月30日に明らかにしたもの。Linuxカーネルは2.4.21を採用するが,2.6のテスト版も実装する。また,米AMDの「Athlon 64」に対応した「初の消費者向けOS」(同社)になるという。

 SuSE Linux 9.0では32ビット版と64ビット版を用意する。「近々64ビット版アプリケーションが標準となることを見越して,Athlon 64に最適化した64ビットOSを今から提供する。ユーザーは64ビット版アプリケーションを利用する準備が整うまで,32ビット版を使用すればよい」(SuSE Linux社CTOのJuergen Geck氏)

 最新版では,米MicrosoftのNTFSシステムのサポートを強化して,Windowsユーザーの移行を支援する。ハードディスク装置の分割が容易になるため,Linuxを使用しながら必要に応じてWindowsクライアントにアクセスできるという。

 SuSE Linux 9.0には,デスクトップ環境「KDE 3.1.4」とデスクトップ向けソフトウエア・パッケージ「OpenOffice 1.1」が含まれる。なお,KDEのインスタント・メッセージング(IM)ソフト「Kopete」は,AIM,MSN,IRC,ICQ,Yahoo Messengerといった一般的なIMソフトに対応可能となる。

 SuSE Linux9.0は「Personal」版,「Professional」版,64ビットに対応した「Professional for AMD64」版を用意する。Personal版はCD3枚,ユーザー・ガイド,60日間のサポートを含み39.95ドル。Professional版はCD5枚,DVD1枚,ユーザー/管理ガイド,90日間のサポートを含み79.95ドル。Professional for AMD64版は119.95ドル。

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