ドイツのSuSE Linux社と米Microtel Computer Systems社は,Microtel製PCに「SuSE Linux 8.2」を搭載して販売する。両社が米国時間7月15日に発表した。PCは,ディスカウント小売りチェーン大手の米Wal-Martのオンライン・サイト「Walmart.com」から購入可能となる。価格は298ドルから。

 SuSE Linux社は,低価格なPCを提供するMicrotel社と小売大手のWal-Mart Storesとの販売契約を通じて,コンシューマ向けデスクトップ・ユーザーの獲得を狙う。

 Microtel/SuSE Linux 8.2 PCは,オフィス,マルチメディア,画像処理,ゲーム,インターネット向けのアプリケーションを数多く搭載している。ユーザーは,インターネットの閲覧に,Netscape Navigator,Mozilla,KDEのブラウザ/ファイル・マネージャであるKonquerorを利用できる。また,財務管理,文書,プレゼンテーションの作成向けに,MS Officeと互換性を持つOpenOffice.orgが用意される。

 「Microtel社とWalmart.com社との提携により,米国における顧客ベースの獲得を期待する。同製品は,手頃で革新的なLinuxシステムと広く普及したオープンソースを採用したいという声を反映したもの」(SuSE Linux社の米国ジェネラル・マネージャHolger Dyroff氏)

 同PCの販売は,Wal-Mart社が拠点を置く米国に限定される。前年Wal-Mart社は,オペレーティング・システムを搭載しないMicrotel製PCを販売したため話題となっていた。後に,同PCモデルでWindowsアプリケーションが実行できるLinuxベースのOS「Lindows」搭載版を販売を開始している。

 SuSE社は,6月にWindowsソフトに対応する企業向けデスクトップ「SuSE Linux Desktop」を発表している。

◎関連記事
米HP,「SuSE Linux Enterprise Server 8」の販売/サポート計画を発表
独SuSEが企業向けデスクトップLinux「SuSE Linux Desktop」を発表
「デスクトップLinuxのイベントでスポンサー数が倍増した」と主催者団体が発表
米マイクロテルの低価格パソコンが台湾VIAの「VIA C3」プロセサを採用,価格は199ドルから

発表資料へ