米Sun Microsystemsが米国時間9月17日に,新型のサーバー「Sun Fire V440 Server」「同V250 Tower Server」とワークステーション「同Sun Blade 1500 Workstation」」や,管理ソリューション,ソフトウエアなどを発表した。

 Sun社ボリューム・システム製品担当上級副社長のNeil Knox氏は,「今日のビジネス環境では,顧客はシステム・ベンダーから“巧妙なビジネス・モデル”以上のものを得る必要がある」と述べる。「当社の画期的な新製品は,十分な価格と性能を達成し,セキュリティ機能を内蔵しており,生産性向上,コスト削減,製品開発期間の短縮を実現できる総合的なソリューションを提供する」(同氏)

 UltraSPARCプロセサを搭載するSolaris OS対応の新型サーバー/ワークステーションは以下の3機種。

・Sun Fire V440 Server:
 価格は9995ドル。「4ウエイ対応のラック・マウント・サーバーとしては現在最も低価格で,米Dellの競合システムに比べ50%近く安い」(Sun社)。水平展開するアプリケーション用のサーバーとして最適という。

・Sun Fire V250 Tower Server:
 エンタプライズ/中規模市場向けサーバー。価格は2995ドルで,ほぼすべてのウインテル・サーバーよりも安いという。内蔵ストレージ容量は0.5Tバイトある。「SunPCi III Coprocessor Card」を導入することで,Solaris,Linux,Windowsという異なるOSを1台のV250で運用できる。またWindows NTのファイル実行やプリント・サービスをSolaris上で提供する「PC NetLink」や,オープン・ソースのファイル/プリンタ共有ソフトウエアSambaに対応する。

・Sun Blade 1500 Workstation:
 UltraSPARC IIIiプロセサを搭載するデスクトップ・ワークステーション。価格は2995ドルから。米IBMの競合ワークステーション「44P-170」に比べ,価格は5分の1という。「SunForum 3D」を導入したことで,「Opne GL対応の3次元アプリケーションの処理速度が速くなった」(Sun社)としている。

 また同社が発表したソリューション/性能強化などは以下の通り。

・Sun Fire V60x Compute Grid:
 電子設計の自動化(EDA),コンピュータ支援設計(MCAE:Mechanical Computer-Aided Engineering),石油/生命科学市場向けの,ハードウエアとソフトウエアを組み合わせたソリューション。「Sun Control Station 2.0」と「Grid Engine Enterprise Edition」を同梱しており,グリッド運用作業の簡素化とシステム管理コスト削減を可能とする管理用ソフトウエアを提供する。「生産性と演算リソースの利用度を全体で最大90%向上できる」(同社)。ラック・マウント可能で,動作周波数2.8GHz(デュアル構成)または3.06GHzのXeonプロセサを32個搭載。価格は18万5000ドルより。

・Sun Control Station 2.0 Lifecycle Management:
 数100台のサーバーのライフサイクル全体を通し,導入/監視/管理を行うためのソフトウエア。ソフトウエアの展開や更新を遠隔地から実行できる。サーバー1台用(10ノード・ライセンス付き)の価格は1995ドルからとする。

・Sun Fire V880 Serverの強化版:
 1.05GHzだったプロセサの動作周波数を1.2GHzに高めたことで,価格を据え置いたまま14%の高速化を図ったという。プロセサ2個,メモリー4Gバイトの構成で,価格は3万2995ドルから。

・Sun Ray Clientの強化版:
 Sun Ray Building Blocksは,シン・クライアント「Sun Ray」15台と「Sun Fire V210」または「同V250」1台などを組み合わせるメンテナンス・フリーのデスクトップ・ソリューションという。同ソリューションに,シン・クライアント「Sun Ray 1g」を追加した。Sun Ray 1gは,24ビット・カラーで1920×1200ピクセル表示が可能な製品で,EDA,出版,ソフトウエア開発,ネットワーク運用センターなど向けとする。

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