フィンランドのNokiaは,第3世代携帯電話(3G)で音声通話と高速データ通信を実現する規格「CDMA2000 1xEV-DV」機器の通信実験に成功した。同社が現地時間8月27日に発表した。同テストは,米カリフォルニア州サンディエゴにある同社のCDMA製品製造センターにて実施された。

 通信実験は,同社のチップセット「Nokia 1xEV-DV」でアップグレードした携帯電話機「Nokia 2285」と英Racal Instruments社の1xEV-DV基地局エミュレータ間で実施した。同チップセットは,「1xEV-DV Release C」機能に完全に対応する初のチップセット(同社)。

 cdma2000 1xEV-DV(別称「IS-2000 Release C」)は,2002年中盤に米国電気通信工業会(TIA)と国際電気通信連合(ITU)に正式に第3世代標準と認められた。基地局から携帯電話までのデータ転送速度は,「IS-2000 Release 0」仕様CDMAネットワークにおけるピーク時の20倍を達成する。条件によって異なるが,同規格によるユーザーへのスループットは1.25MHzの帯域幅で1Mビット/秒,システム全体では420K~1.7Mビット/秒のスループットを実現する。

 「1年にも満たない間に,Nokiaは1xEV-DV仕様を認可された標準から実験室におけるインフラ相互運用性テストで利用できるまでに発展させた。次は実地試験である。Nokiaは,cdma2000通信事業者の1xEV-DV標準への移行を支援する」(同社)

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