文脈型広告サービスを手がける米WebRelevance社は,米NBCと米Microsoftのジョイント・ベンチャである米MSNBC.comと米Microsoft社のショッピング・サイト「MSN Shopping」と提携関係を結んだ。WebRelevance社が米国時間7月29日に明らかにした。WebRelevance社は,11カ月前にシアトルに設立された新興企業。Webページの分析によりキーワードを探して,関連した広告を表示する技術を開発した。

 提携により,WebRelevance社は,MSNBC.comサイト上において1部分の記事を分析することにより,ページ上に関連したMSN Shoppingが提供する製品の広告を表示する。今回の契約に関するその他の詳細は明らかにされていない。

 文脈型広告は,検索ページで成功してきたが,WebRelevance社は,同社の「RelevanceServer」プラットフォームを利用することにより,任意のWebページを分析する。分析により,キーワードを選び出してページ・コンテンツに合った広告を表示させる。たとえば,MSNBC.comユーザーがソフトウエア・ウイルスの記事を読んでいる場合には,アンチウイルス・ソフトの広告が表示され,南北戦争の歴史を読んでいる場合には,それに関する書籍の広告が表示される。

 「RelevanceServerプラットフォームの導入により,メディア・サイトは収益増加が可能になり,広告主はROIを改善できる。MSNBC,MSN Shoppingのような大きな組織に選ばれたことを誇りに思う」(WebRelevance社の共同設立者兼CEOのBill Reller氏)

 MSNポータルは,米Overtureからのキーワードに関連した広告サービスを利用してきた。しかし,米Yahoo!がOverture社を16億ドルで買収することで最終合意に達しているため,MSNとOvertureの関係に影響があると考えられる。Microsoft社の副社長Yusuf Mehdi氏は,WebポータルにおけるOverture社との関係は継続させると発表している。MSNBC.comは,WebRelevance社と提携した理由を,フロントエンドの広告パートナと関係のないバックエンドの技術を同社が提供しているからだと説明している。

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