米DoubleClickは米国時間7月23日,2003年第2四半期のオンライン広告市場に関する調査結果を発表した。2003年第2四半期に,リッチ・メディア広告は前期と比べて14%増加し,全広告の31.7%を占めた。2002年第1四半期におけるリッチ・メディア広告の割合は17.3%だった。

 2003年第2四半期のクリック・スルー率は0.52%で,過去6四半期のうち最も低かった。しかし,ビュー・スルー率(バナーをクリックしないが,広告を見て30日以内になんらかの行動をおこす割合)はクリック・スルー率を上回る0.63%となった。

 「オンライン販売事業者はオンライン広告を直接売り上げに結びつけようと,ブランド強化の媒体としてWebの利点を活用しはじめている。クリック・スルーをかせぐより,印象的な広告の方が,ユーザーの潜在意識に残るものだ。リッチ・メディア広告は,ブランド戦略の中心的役割を果たすだろう」(DoubleClick社Online Advertising Solutions部門バイス・プレジデント兼ジェネラル・マネージャのDoug Knopper氏)

 リッチ・メディア広告で最もよく使われる技術は米MacromediaのFlashである。Flashを用いた広告は現在,全広告の約14%を占めている。

 リッチ・メディア広告とGIFやJPEGタイプの広告を比較した場合,1回のインプレッションがその後の行動(アクティビティ)に結びつく割合は,リッチ・メディア広告が0.76%,GIF/JPEG広告が0.55%だった。1回のアクティビティがその後の購入に結びつく割合はそれぞれ3.07%と1.02%。

 広告のサイズをみた場合,468×60ピクセルの標準バナー広告が最も多く,全広告の42%を占めている。しかし,大型人気に押されつつあり,2002年第2四半期と比べてそのボリュームは23%減少した。標準バナー広告の次に多いのはスカイスクレイパー型で,全体の9%を占め,同55%増加。300×250ピクセルと336×280ピクセルの大型長方形は,それぞれ同257%と同117%増加している。

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