「米国の経済不振が企業のWebサービス・プロジェクトへの投資に影響を与えているが,プロジェクト自体は消滅していない」。米GartnerはWebサービスに関する調査結果を米国時間7月23日に発表した。

 それによれば,調査対象となった北米企業の48%は経済不況によりWebサービス開発への支出削減を余儀なくされたが,プロジェクトを中止させるほどではないと回答している。同調査は,この先1~2年のWebサービス開発プロジェクトの動向を分析するために同年1月と2月に北米企業の111社を対象に実施された。

 Webサービスへの支出を削減したとする回答する企業がある中で,3分の1は経済不振が企業のWebサービス開発プロジェクトへの投資予算に影響を与えていない,と回答している。

 「この調査結果に企業のWebサービス開発へのコミットメントをみることができる。これら企業では,Webサービス開発プロジェクトが企業の最優先事項に挙げられており,予算削減の際に後回しにされている」(同社の業界アナリストのNicole Latimer氏)

 調査によれば,回答者の54%はWebサービスを導入して企業内とともにパートナや顧客アプリケーションを統合させている,または12カ月以内に統合を予定している。また同期間に企業内だけでWebサービスを利用している,または実装を計画していると回答したのは39%だった。しかし,期間を2年先まで延長すると,65%は企業内外におけるWebサービスの実装を計画しており,企業内だけに限定するのは23%だけだった。

 また,同社は,この先数年間で,ソフトウエアとプロフェッショナル・サービス市場は,淘汰が進むと考えている。

 「Webサービスの波に乗るためには,ソフトウエア・ベンダー,システム・インテグレータが,顧客に対して,簡単明瞭なメッセージを送らなければならない。ベンダーは,Webサービス導入によって企業にはどのようなメリットがあるのか,またWebサービスによって事業がどのように進化を遂げるかを分かりやすく説明しなければならない」(同氏)

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