「Webサービスは企業のITプロジェクトに浸透し始めている。慎重な企業でも2003年には試験的なプログラムを始める必要がある」。米GartnerはWebサービスに関する調査結果を米国時間9月17日に発表した。

 「企業がWebサービスの実装を始めるに従い,同技術の用途の広さが徐々に明らかになっている。同サービスは,危険が低く有用性が高いデータ統合の媒体となっているが,非常に新しいプロジェクトでも使われ始めている」(同社のリサーチ・ディレクタのWhit Andrews氏)

 同社は過去数年に渡り, Webサービスの早期実装にともなう課題と教訓を検証するために同技術を実装した企業の監視してしてきた。これら企業が経験した課題の1つとして,Webサービスに割り当てなければならないプロジェクトの決定があった。

 「コストが高くつき,戦略的な見直しが必要な基幹業務のアプリケーションを2004年以前にWebサービスで行うべきではない。しかしITスタッフが新しい強力なプログラミング・モデルの採用を試みている企業は, Webサービスの実験を行って,2003年より前に配備する試験的プログラムを開発すべきである」(同氏)

 また,企業は全体として重点的なセキュリティを必要とするプロジェクトに関わっていないという傾向が明らかになった。

 その他にも,多くの企業がWebサービスに割り当てている開発者の人数が少ない傾向にあることが明らかになった。同社は,企業がWebサービスまたは適切な管理方法論の開発に関わっている場合を除いて,プロジェクトの開発者数が8人を越えないように勧めている。ほとんどの企業が割り当てている開発者は,8人未満だった。

 「典型的な内部プロジェクト・チームは,開発者3人程度で構成されている。外部開発は,企業の負担が小さい規模のチームに分散されるような方法で実施ている。たとえば,内部開発者2人と外部開発者1人のような構成になっている」(同氏)

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