米IBMが米国時間7月9日に,ITアプリケーションやシステムにプライバシ・ポリシーを自動適用するためのXMLベースの言語「Enterprise Privacy Authorization Language(EPAL)」を発表した。IBM社はEPALを数カ月以内に標準化組織に提出するほか,同社のプライバシ管理ソフトウエア「IBM Tivoli Privacy Manager」で対応することも計画している。

 EPALは,自然言語で記述したプライバシ・ポリシーを,コンピュータが理解可能な表現に変換するための言語であるという。特定のプライバシ・ルールを企業内の業務システム全体に適用し,ルール順守を自動化できる。

 現在プライバシ関連仕様には,World Wide Web Consortium(W3C)のPlatform for Privacy Preferences(P3P)などがあるが,EPALはP3PのポリシーをWWWだけでなくアプリケーションやデータベースにも適用できる。

 「業務アプリケーションにポリシーを強制的に適用することで,手間のかかるプライバシ管理業務の自動化が可能となる。こうした面倒で複雑なことの多い業務プロセスを自動化すると,コスト削減と生産性向上が達成できる」(同社)

 なおノースカロライナ州立大学(North Carolina State University)の学生グループが,EPAL用エディタ「Privacy Authoring Editor」を開発した。同エディタを使用すると,「EPALを使ってプライバシ・ポリシーを作成/編集できる上,現行の標準仕様よりも機能が多くで複雑なルールを表現できるようになる」(同社)という。

 Privacy Authoring Editorはオープン・ソースとして開発したので,オープン・ソース・コードやアプリケーションを提供しているSourceForget.netのWWWサイトから入手できる。

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