米Oracleが米司法省から,米PeopleSoft買収提案に関する情報提供のセカンド・リクエスト(追加請求)を受けたことについて,PeopleSoft社は米国時間6月30日にコメントを発表した。

 「Oracle社が米司法省から追加請求を受けたという発表は,驚くことではない。PeopleSoft社は,Oracle社との合併案が,調査などで著しく遅延し,承認されない可能性が高いとの見方を変えていない。今回の追加請求は,この見解を裏付けるものだ」(PeopleSoft社)

 司法省は,Oracle社が提出する情報をもとに,Oracle社がPeopleSoft社に仕掛けている敵対的買収提案が独占禁止法に抵触するか調査し,買収計画を承認するか否かを判断する。

 Oracle社は,PeopleSoft社の株式を1株につき16ドル(総額は約51億ドル)の現金で買い取る計画を6月6日に発表(Oracle社のプレス・リリース)し,公開買付を6月9日に開始。6月18日には1株当たりの買付金額を,19ドル50セントに変更した。PeopleSoft社は,変更前と変更後の買収条件とも正式に拒否している。

 またPeopleSoft社は,同社役員会が同社株主あてに,Oracle社の公開買付に応じないよう呼びかける書簡を発送したことを,7月1日に明らかにした。書簡の主な内容は以下の通り。

 「当社がOracle社の敵対的買収を株主のためにならないと判断するのはなぜか。米J.D. Edwards買収を含む現在の戦略こそが,株主への価値を最大限に引き上げる最良の道だと信じているからだ。J.D. Edwards社とPeopleSoft社の合併は,財政的にも魅力のある企業統合だ。両社の合併により,PeopleSoft社は企業向けソフトウエア市場の広範な分野で事業を展開し,販売を拡大するようになるだろう。1万1000社以上の顧客に製品やサービスを提供することで,営業利益率を広げ,1株当たりの利益を増やすことができる。

 一方,Oracle社の買収提案は,1)独占禁止当局などの調査を受けて何カ月も停滞したのち,承認を得られない可能性が高い,2)Oracle社がPeopleSoft社製品の改善とサポートを継続するか不確定である,3)Oracle社の買収提案は暫定的で,いつでも撤回される可能性がある,などのリスクがある」(PeopleSoft社役員会)

◎関連記事
米Oracle,米司法省から買収提案に関する情報提供の追加請求
米Oracle,「今後10年以上は米PeopleSoft製品のサポートを継続」
米PeopleSoft,米Oracleが再提示した買付条件も正式拒否
米Oracle,米PeopleSoftの株式買付金額を1株当たり19ドル50セントに引き上げ
米PeopleSoft,米J.D. Edwardsを約17億ドルで買収
米Oracle,米PeopleSoftの株式公開買付を開始
米J.D. Edwardsが米Oracleを提訴。賠償金17億ドルを請求
米PeopleSoftが米Oracleを提訴,「我が社の事業破壊を目的とした偽装買収提案」と非難

[発表資料(1)]
[発表資料(2)]