ソニーの米国法人Sony Electronics社は,Palm OS対応PDAの新製品「CLIE NX80V」と「同PEG-NX73V」モデルを米国時間6月17日に発表した。それぞれ130万画素と31万画素のデジカメを搭載する。両モデルともに,メモリー・スティックとコンパクトフラッシュ(CF)Type IIメモリー・カードに対応する。

 130万画素のデジカメを搭載するNX80Vモデルは,「Capture Light」機能を提供する。これにより,静止画像と動画の撮影において照明条件が悪い場合には,被写体に照明が当てられる。野外の撮影時には,露出を制御する光フィルタも提供する。

 搭載されるデジカメは,レンズ部分が前後に300度回転する。オプションの1Gバイトのメモリー・スティック・プロを使えば,160×112ドットのMPEG4ビデオ・クリップを連続で最大約60分録画できる。

 同モデルでは,拡張スロットを改善している。背面に設置された通信スロットは,スイッチによって飛び出す仕組み。CF type IIメモリー・カードのサポート追加により,メモリー・スティックとCF形式の両方に対応できるようになった。そのため,ユーザーはPCで中継することなく,カードでファイルの転送ができるようになる。

 また,通信スロットにオプションの無線LANカードを差し込めば,Wi-Fi(IEEE802.11b)ネットワーク上でインターネット接続ができる。

 新モデルには,手書き認識のソフトウエア・オプション「Decuma」を追加している。活字体で書かれたローマ字26文字を認識する。文字の入力方法は,この他にも「Graffiti 2」ソフトとQWERTYキーボードからの入力が選択できる。その他にも,使い勝手を改善するために,同社が開発したアプリケーションの大半を32Mバイトに増強したROMメモリー上にインストールしている。

 同日発表されたPEG-NX73Vは,NX80Vの下位モデル。カメラ仕様とオンボードのメモリー量の面でNX80Vと異なる。PEG-NX73Vの搭載カメラは31万画素で,Capture Light機能と光フィルタ機能はない。メモリーは,ROMが32Mバイト,RAMが16Mバイト。

 CLIE PEG-NX80VとPEG-NX73Vは,全米の小売店にて7月初旬から販売開始される。価格はそれぞれ,600ドルと500ドル。同社のWebサイトで先行予約も受け付けている。PEGA-WL110 Wi-Fiモデム・カードは,150ドルで提供している。

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