米Palmは,同社PDAブランド「Palm」の個人ユーザー向け製品「Zire」の販売台数が100万台を越えたことを米国時間5月27日に発表した。同製品は,前年10月にローエンド市場向けに99ドルの低価格で販売を開始したもの。

 同製品は,市場で初めて100ドルを下回った製品であり,初めてPDAを購入する学生,家族,個人に受け入れられた。

 4月に同社が実施した顧客満足度に関する調査結果では,全体的な満足度,人に勧める,再び購入するときもPalmを選ぶ,価格に対する価値などを含め,全体の満足度でZireの評価がもっとも高かった。

 Zireに関するその他の調査結果は次の通り。

・NPD Groupの調査結果によれば,米国において,Zireはホリデー・シーズンにもっとも売れたハンドヘルドであり,現在でもトップ5に入っている。同社がこれまで調査したハンドヘルド機の中で,発売後3カ月以内にもっとも販売台数を延ばした

・欧州でもクリスマス・シーズンにもっとも売れたハンドヘルドはZireだった。12月と1月の市場全体のシェアは16%だった

・ラテンアメリカにおいて,メキシコのGiganteとのZireに関する提携は,同地域のハンドヘルド・コンピューティングの契約としては最大規模のものになった

・アジア太平洋地域においては,4月に台湾で同モデルの販売を開始することにより,初めて中国語のハンドヘルド市場に参入した

 また,同社は,同年4月に,デジカメとマルチメディア機能を搭載した新型モデル「Zire 71」を発表している。Zire 71は,デジカメと高解像度カラー画面を備え,MP3の再生(別売りの拡張カードが必要),写真の表示やビデオ(RealMovie/QuickTime)可能。カメラは,スライド・カバーを開くことで撮影準備が整う新しいデザインを採用している。

 IDCによれば,2002年後半に米国において出荷されたPDAの71%がPalm OS機だった。ローエンド市場にはPalmに競合する企業がなく,市場がまだ飽和していない状態にある。そのため,同社は2003年末までにZireの販売台数が200万台に達すると予測している。

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