米DoubleClick社は,スパム撲滅に向けた同社の一連のアンチスパム構想を米国時間6月11日に発表した。これは,ポリシー,調査,教育,技術で構成され,マーケッタと電子メール・マーケティング業界による理解と運用を促す目的でデザインされた。

 発表された構想の概要は次の通り。

・ポリシー
 同社は,「Policy and ISP Update Report」と呼ばれるレポートを年4回発行する。レポートは,同社がポリシー・メーカー,ISP,電子メール・プロバイダと定期的に実施しているミーティングの結果をもとに作成する。同社のプライバシ・チームは,監督機関,法律制定者とミーティングを実施して,ポリシー・メーカーに電子メール・マーケティングと電子メール・サービス・プロバイダとしての役割に関して知識を提供している。また,同社のISP関連チームは,主要ISP,電子メール・プロバイダと継続的にミーティングを設けている。最初のPolicy and ISP Update Reportは,夏に発行を予定。

・調査
 消費者のスパムに対する反応を理解するために,大規模な調査と教育プログラムを発足する。これは,マーケッタに対して電子メール・コミュニケーションとスパムの差別化の理解促進を狙う。同社は,年に1度実施している消費者の電子メールに関する調査に加えて,AOLとの提携により,消費者のスパムに対する姿勢と反応を理解するために調査を実施する。調査結果の大筋は7月に発行され,完全な結果は9月のARFカンファレンスで発表される。

・教育
 Web上で定期的に実施している顧客教育セミナーに加え,同社はスパムに的を絞ったカンファレンスを主催する。この半日のセミナーは,監視機関,立法機関,ISP,電子メール・プロバイダ,電子メール・マーケッタを対象とする。

・技術
 同社は,電子メール配信に関する技術ソリューションに注力するとともに投資を増加する。同社は,配信インフラのEmail Service Provider (ESP)に投資しており,米Assurance Systemsとの既存の関係を拡張して,顧客向けに電子メール配信管理ツールの共同開発を行なう。また,IronPort技術ソリューションにも投資する。

 「スパムをターゲットとした連邦法を基本的にはサポートするが,スパムを撲滅させるには法令だけでは十分でない。法令,技術,教育,業界の協力の組み合わせによって,初めてこの問題に最終的な決着をつけることができる」(同社Marketer Solutions Divisionの副社長兼ジェネラル・マネージャのScott Knoll氏)

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