米EDSは米国時間6月4日,企業向けモバイル管理ソリューション「Extended Connected Office(ECO)」を発表した。マネージド・デスクトップ環境が持つ高可用性とセキュリティを,モバイル環境に拡大するというもの。

 ECOを導入することにより,モバイル機器を利用する社員や遠隔地の従業員は,ファイアウオールで保護された社内の個人情報管理システム,企業データ,コラボレーション・サービス,企業アプリケーションにアクセスできる。

 ECOは,特定のデバイス,技術,サービスに異存しないため,さまざまなハードウエア,ミドルウエア,セキュリティ製品,ソフトウエアと使用可能で,企業は既存のITインフラに無理なく統合できるという。また,使用した分だけ料金を支払う従量課金制なので,費用を抑えることができる。

 「ECOは,マネージド・デスクトップ環境をそっくりそのまま無線の世界に移しながら,全社的な一貫性,安定性,セキュリティを維持できる。コストや管理リスクを削減できるほか,各地に点在する社員が安全な接続を行い,生産性とコラボレーションの効率を高められる」(EDS社Mobility Services部門執行責任者のBill Crawford氏)

 EDS社は,既存の顧客に対して拡張サービスとしてECOを提供するほか,フランスのFrance Telecom傘下にある携帯電話サービス会社Orangeなど,モバイル事業者を通じて新規顧客を開拓する。

 「モバイル事業者とサービス契約を結ぶことで,広範な地域でキャリア品質のサービス提供が可能になる。またモバイル事業者は,マネージド・データ・サービスの提供を通じて,収益性の高い企業向けソリューション市場へ参入し,ユーザー1人当たりの平均売り上げ(ARPU)を増加できる」(EDS社)

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