米SeeBeyond社は,戦略的パートナの米Siebel Systems社とともに,統合ソリューション「UtilityEdge」を米国時間6月4日に発表した。同製品は,エネルギとユーティリティ市場向けのエンド・ツー・エンドの統合ソリューション。CRMと課金システムを統合する。

 UtilityEdgeは,両社の初の共同ソリューション。「Siebel Energy」アプリケーションをCIS/課金アプリケーションを含めたバックオフィス,業務アプリケーションとシームレスに統合する。同製品は,すべてのチャネル,マーケット部門,サービス・タイプにおける顧客サービス,課金に関する問い合わせを管理するインタフェースと統合ビジネス・プロセスを提供する。同製品により,顧客管理と課金を統合するエンド・ツー・エンドのビジネス・プロセスの迅速な実装が可能となる。

 公益企業は,コスト削減,規制緩和,民営化,競争の激化,業界の淘汰などの圧力に直面している。保有するリソースとITインフラで新しいレベルの効率性をもたらす既存技術の最適化が最優先事項となっている。UtilityEdgeは,既存のITインフラを使ってこれを実現する。

 同社によれば,同製品は従来のカスタム・ビルトのソリューションと比べて統合コストを最高60%削減する。また,市場への製品投入時間も30%まで短縮できるという。カスタム開発で対処してきた問題に対して,製品ベースのソリューションを提供することにより,同製品は,最初のインテグレーションで大きな経費削減が可能になるとともに,メインテナンス・コストも削減できる。

 同製品は,Siebel社のエネルギ企業向けCRMの経験から獲得したエンド・ツー・エンドのビジネス・プロセス実行における最良事例を組み込んでいる。また,Siebel社のアプリケーション統合ソリューションの「Universal Application Network(UAN)」とSeeBeyond社の統合プラットフォーム「SeeBeyond eGate」を採用する。

 UANは,ビジネス・アプリケーションをエンド・ツー・エンドのビジネス・プロセスに統合する。UANは,プレビルトの業界向けに特化されたビジネス・プロセスを提供することにより,従来の統合アプローチで必要だった開発コストが削減できる。その結果,SeeBeyond eGateプラットフォームでUANを稼動することにより,統合に関わるコスト,時間,リスクを格段に削減できるという。

 同製品は,仏カンヌで開催される「Siebel European User Week 2003」にてデモが行なわれる。現在,一部の顧客向けに提供されているが,一般向けには2003年第3四半期にリリースされる予定。

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