オランダのRoyal Philips Electronics社と米Visa International社は,小口支払い向けの非接触型チップ技術の開発と同技術の採用促進で提携する。両社が協調の範囲に関する概略を記した了解覚書に署名したことを,現地時間5月28日に明らかにした。電子決済と非接触型チップ技術の統合により,場所,時間,デバイスに関係無く支払いができる非接触型ソリューションの提供を計画している。

 提携を通じて,両社は幅広いアプリケーションを模索するとともに,ゲーム,チケット発行,音楽,公共交通機関,ホーム・ショッピングなどの分野におけるハンドセット,電子機器製造業者,サービス・プロバイダといったパートナとの提携を模索する。この覚え書きには,非接触型チップ技術を利用して安全に決済を行なうための要件の調査も含まれている。

 Visa社は,前年Pilips社の技術を元にした接触型と非接触型の支払に対応するデュアル・インタフェース・コントローラ・チップを搭載したスマート・カードの発行を認可している。デュアル・インタフェースを持つスマート・カードにより,Visaは建物へのアクセスや旅券の購入などに使える非接触型機能を持つデビット/クレジット・カードが発行できる。

 両社の提携により,Visa社は,消費者向け機器上で異なるコンテンツとサービスを提供するなど,カードの用途を拡張できる。複数の用途を持つデュアル・インタフェース搭載のスマート・カードは2004年に投入が予定されている。

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