米MasterCard Internationalは米国時間12月12日に,非接触型カード決済システム「MasterCard PayPass」を発表した。カードを読取端末機に差し込んで通すのではなく,かざすか軽く触れるだけで支払いを処理できる。ファミリ・レストランやガソリンスタンド,映画館での利用を想定する。

 MasterCard社は現在,米Chaseや米Citibank,米MBNAなどの大手金融機関と協力し,フロリダ州オーランドなどの地域を対象に同システムの試験運用を行う。Boaters' World,Chevron,City of Orlando Parking,Friendly's,Loews Universal Cineplex,Ritz Camera,Wolf Cameraといった販売店でトライアルを実施する。2003年1月には,その他の販売店やファミリ・レストランでも利用できるようにする。MasterCard PayPassのカードは従来のカードのように磁気式読取端末機にスライドさせて使うこともできる。

 「MasterCard PayPassは現金払いよりシンプルで速いうえ,高度なセキュリティ機能を備えている」(MasterCard社e-Business部門責任者のArt Kranzley氏)

 MasterCard PayPassのカードにはチップとアンテナが組み込んであり,特別な読取端末機にかざすか触れると無線で支払い明細を伝送する。支払い明細はMasterCard提携ネットワークに送られ,処理される。チップや読取端末機の開発には,ドイツのInfineon,イスラエルのOTI,韓国のSamsung,オランダPhilips Semiconductor,フランスのOberthur,松下電器産業,米VeriFoneなどが協力している。

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