米IBMは,同社の「IBM eServer iSeries」の新モデルを米国時間1月20日に発表した。新しいiSeriesモデルでは,ユーザーが必要に応じて即座にオンデマンドでプロセサの追加と停止を行う「On/Off Capacity Upgrade on Demand」機能を提供する。また,価格対性能比を最高で80%向上させた,としている。

 新しいサーバーの4モデルと技術は次の通り。

・最大32ウェイ構成まで拡張可能なPOWER4プロセサ搭載サーバー
「eServer iSeries」の最上位機種「同890」に「同825」と「同870」を追加。論理パーティション上でOS/400,Linux,Integrated xSeries Server上でWindowsの稼働が可能。

・「On/Off Capacity Upgrade on Demand」
「i825」,「i870」,「i890」モデルで提供する新機能。必要に応じてあらかじめ搭載しておいた予備のプロセサを追加起動,または停止させる。同機能のオプションとして,「Temporary」と「Permanent」の選択が可能。

・中小企業向けの新サーバー
iSeriesサーバーのローエンド機種として,1ウェイと2ウェイの「同800」と「同810」モデルを追加。「同800」モデルは,新しいシングル・プロセサ・モデル。価格は,9995ドルから。論理パーティション上でOS/400,Linux,Integrated xSeries Server上でWindowsの稼働が可能。

 新しいiSeriesで提供する主な新機能は次の通り。

・「WebSphere Application Server - Express」
中小企業向けWebアプリケーション・サーバー「WebSphere Application Server - Express」をすべてのiSeriesモデルでサポートするようになった。同ミドルウエアは,自動で自己構成を行う「インストール・ウィザード」を提供する。

・Linux
高度なLinux仮想化機能とシングル・プロセッサ上で最高10パーティションでLinuxを動作させる機能を提供。

・Windows
iSeriesユーザーは,同社のxSeries技術によりWindowsアプリケーションを一括管理できる。

・トランザクション処理
エンタープライズ・ソフトウエア・オプションで,従来のオンライン・トランザクション処理(OLTP)を実行していたユーザーは,OLTPインタラクティブの制限,レベルが排除されて,サーバーのすべてにアクセスできるようになった。

 iSeriesの標準/エンタープライズ版のソフトウエアは次の通り。

・標準版
1万2000ドルから。eビジネス・アプリケーションをサポート。複数OSを稼働させる機能,「Capacity Upgrade on Demand」,動的論理パーティションを提供。

・エンタープライス版
7万8000ドルから。eビジネスと従来型アプリケーションをサポート。IBM Lotus QuickPlace,Sametime,WebSphere - Express,Tivoli,DB2データベース・ソフトウエアとともにeビジネスソリューションの配備に向けた教育とサービスを提供。

 「eServer iSeries」の新モデルは,同年2月21日に出荷を予定している。

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