米Transmetaは新しいセキュリティ技術を搭載したプロセサ「Crusoe TM5800」の最初の生産ロットが完成したと米国時間1月14日,発表した。新技術を搭載したプロセサにより,無線コンピューティングのセキュリティ強化,機密性の高いデータの保護,知的財産の盗難阻止の実現を狙う。

 「企業と政府機関のITマネージャは,コンピュータ・システムとネットワークにおけるデータのセキュリティを懸念している。セキュリティをチップ・レベルで確保することにより,当社は市場とコンピュータ業界が直面しているこの重要な問題に対してリーダー的な役割を果たしている」(Creative Strategiesの社長のTim Bajarin氏)

 Crusoeプロセサ,「Code Morphing」ソフト,サードパーティ技術のサポートにより,機密性が高いデータと知的資産を保護するのに必要なセキュリティ機能が提供される。これらの機能をメイン・プロセサに組み込むことにより,既存のマルチチップ・ソリューションに優るセキュリティを実現する。

 新しいセキュリティ技術を搭載したプロセサは,2003年の前半に出荷を予定している。同プロセサは,秘密情報を格納する隠されたストレージや暗号化アクセラレーション,AES(Advanced Encryption Standard)といった業界標準をサポートするために,容易に拡張できる柔軟性を備えたプロセサ・アーキテクチャを提供する。

 新しい技術は,認証,鍵,そして最終的にはその他の機密情報を持続的に保存するセキュアなストレージを実現するために,Crusoeアーキテクチャにインタフェースを提供する。ストレージはCrusoeアーキテクチャ内にあるため,x86空間からは見ることができない。

 また,Crusoeは一般的に使われているDES,DES-X,Triple-DESといった鍵暗号化アルゴリズム向けのハードウエア・アクセラレーション・エンジンも提供する。

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