米Microsoftは新たなライセンシング・プログラム「Passport Manager Source Licensing Program」のもと,同社の認証技術「Passport」のソース・コードを公開することを米国時間10月10日,明らかにした。同社上級副社長兼CTOのCraig Mundie氏が,コロラド州デンバーで開催中の「Digital Identity World 2002 Conference」の基調講演で発表したもの。
Passport Manager Source Licensing Programは,ソース・コード開示プログラム「Shared Source Initiative」を拡張するものと位置づける。Shared Source Initiativeとは,ソフトウエアの知的所有権を保護しながら,パートナ企業に対してだけソース・コードへのアクセスを認めるというもの。現在Shared Source Initiativeを通じてソース・コードを開示している製品にはWindows 2000,Windows XP,Windows .NET Server,Windows CE 3.0,Windows CE .NET,Windows .NET technologiesなどがある。
Passport Manager Source Licensing Programでは,企業におけるアプリケーションとPassportの統合を支援する。ライセンシ企業,学術機関,開発者,政府機関は「Passport Manager」のソース・コードを使って,Passport技術を組み合わせた商用および非商用ソフトウエアの開発,デバッグ,サポートを行うことが可能。プログラム参加者は2002年11月から,Passport技術統合に関するデバッギング,サポート,トラブル・シューティングを利用することができる。
Passport ManagerはPassportパートナ用Webサイトで動作するCOMオブジェクトで,Passportサービスの通信や統合を管理する。Windowsのほか,一部のUNIXに対応する。
「安全で信頼性のあるデジタル認証は,この業界の長期的目標である“Trustworthy Computing(信頼できるコンピューティング)”の実現に欠かせない要素だ」(Mundie氏)
またMicrosoft社は,セキュリティ・レベルを測定するツール「Passport Password Quality Meter」を発表した。PassportユーザーはPassportパスワードの安全性を測定し,セキュリティ強度を改善することができる。
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