米Microsoftは開発者に向け,Windows CEのソース・コードの一部を開示し始めた。これは5月に発表したソース・コード開示プログラム「シェアド・ソース・プログラム」に基づくもの。開示対象となっているのは「Pocket PC」のOSとして利用されるWindows CE 3.0のソース・コードである。3カ月ほど前にMicrosoftのCraig Mundie副社長が開示の意向を明らかにしていた。

 Mundie副社長は5月初旬,ニューヨーク大学ビジネス・スクールのスターン校で開かれた講演で「Windows CEのソース・コードは,開発ツール“Platform Builder 3.0”を通じてライセンスしている。このツールは開発者ならだれでも入手可能なものだ」と話している。「MicrosoftはこのPlatform Builderプログラムを通じて,Windows CEの開発コミュニティ支援をより強化したいと考えている。今年下半期にはWindows CEのソース・コードを教育機関向けにサイト・ライセンスするプログラムも用意する予定だ。シリコン・チップのベンダーにより広範なレベルのソース・コード・アクセスを提供するWindows Embedded Strategic Silicon Allianceプログラムや,インテグレータ向けのInnovation Allianceプログラムも提供を始めている」(Mundie副社長)としている。

 なお,Microsoftはソース・コード開示の目的を,Windows CE向けアプリケーションのデバッグ時にプログラマが問題点を突き止めやすくするためと位置づけている。ソース・コードをダウンロードする際,開発者はMicrosoftのシェアド・ソース・ライセンスに同意する必要がある(該当サイト)。このライセンスでソース・コードの利用について様々な制限が課される仕組みである。