米Analog Devices社は米国時間10月7日に,同社のADSLチップセット向けに新しいファームウエア「UltrADSL」を発表した。アップグレードにより,伝送速度が向上し通信距離が延長される。

 ファームウエアにより,5500フィート(約1676メートル)までの中距離では伝送速度12.8Mビット/秒を実現する。通信範囲は,128kット/秒を越える伝送速度で最高2万3000フィート(約7010メートル)まで延長された。同技術は,電話局(CO)向けチップセット「Anaconda CO」,CPE(顧客宅内機器)向けチップセット「Eagle」「Eagle-II」「Pathfinder」で動作する。

 同技術は,上り方向と下り方向が部分的に重複するスペクトラムとデジタル・エコー・キャンセラを組み合わせて利用している。通信距離の延長は,同社が複雑なADSL混合回線を理解しているために実現できたという。

 同ファームウエアは,ADSLの標準規格であるAnnex A,Annex Cに準拠しており,同年11月にAnnex Bにも対応する予定。

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