米Analog Devices社はサンプリング速度210MSPS(Mサンプリング/秒)の12ビットADC(アナログ/デジタル・コンバータ)「AD9430」を米国時間6月13日に発表した。これまで最速だった同社の「AD9433」と比べて68%高速化された。同製品は,ブロードバンド対応のケーブル・モデム・ヘッドエンド装置,第3世代無線トランシーバ,高速データ転送のポイント・ツー・ポイント型の無線装置,医療画像システム,スペクトラム測定装置などの用途に適しているという。

 欧州のケーブル・モデム標準規格Euro-DOCSIS (Data Over Cable Services Interfaceystem)では,北米のDOCSIS標準よりも高いリターンパス・スペクトラムを必要とする。同製品により,ケーブル・モデムのOEMは,地域別システムを対応させる必要がなくなる。

 AD9430は,トラック&ホールド(T/H)機能搭載の回路を内蔵するモノシリック12ビットADC。S/N比は入力周波数65MHzで64dB。ユーザーは,CMOSまたはLVDS互換の出力を選択できる。

 「AD9430」は,2つのモデルで提供されている。170MSPS版「AD9430BSV-170」は,1000個ロットの価格75ドルで量産出荷されている。210MSPS版の「AD9430BSV-210」は,91ドルで現在サンプル供給中。秋に量産出荷が予定されている。

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